酒と運命

入社したての頃の私はまだ20歳で、酒のうまさがわからず、そういう席が苦手であった。
新人歓迎会や打ち上げなどのしきりは営業のIさんという人がした。
大学時代、運動部のマネージャーをやっていただけあって、Iさんの押し出しは強かった。
その強力な誘いを断るわけにもいかないので、集団に渋々ついていった。
あるとき、飲み会で話の合う人に出会った。
僕より一年後に入った、その彼はSBといった。
SB君はアニメや漫画にとても詳しく、いつもは退屈なお酒の席も彼とのおしゃべりで盛り上がった。
SB君は僕にガイナックスという変わった会社があることを教えてくれた。
このSB君との出会いが、私とガイナックスの関係が結ばれていくきっかけになるのだか、
それはまだ先の話だ。
SB君のアパートの部屋は漫画の本とプラモデルでいっぱいで一畳の場所だけが空いていた。
彼はアニメのLDをいっぱい持っていたのでよく一緒に見た。
彼の実家は酒屋で、いまでも時々焼酎を送ってくれる。

つぎ

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