ホイップあんパン

仕事場で岡山出張のときいっしょに仕事をしていた青年と再会した。
彼は別の仕事でこの半蔵門に来ていた。
おそらく地理情報システムだ。
コンピュータルームには、私たちが使っていたMS−140という機械の他に、
FACOMという赤いボディの富士通製大型機が目立つ。
奥にNTTが独自で開発したと思われる大型機があった。
その機械を使っていたようだった。

鉄骨CAD位の大きなシステムになると、
それぞれの担当分が終わった人たちから抜けていったり、
途中から別の人員が加わったりして、
作り続けられる。
メインのスタッフは同じ人たちが延々と携わる。
一年以上同じ仕事を続けていくとどんな真面目な人でも飽きてしまう。
幸運なことに私は自分の担当分が終わって、抜ける形となった。

この頃、私はホイップあんパンに凝っていた。
これはあんパンにホイップクリームを混入した新型あんパンである。
地下鉄の駅を上がっていくとパン屋がある。
そこで毎朝のように買って食べていた。
INSの作業場はひとりに一つ机があり、フロアも広いので快適である。
ホイップあんぱんも食べやすい環境であった。

能率手帳というのをご存じだろうか。
文房具屋で売っている年毎の黒い手帳の中で、
日本能率協会というところが企画したビジネス手帳がある。
スケジュール表が使いやすいと評判の手帳で、ちょっとしたヒット商品だった。
その手帳の総本山が次の仕事場だった。

つぎ

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