タイタニック号

サイレントメビウスはまだアニメ化もされていなくて
設定の資料は漫画の単行本に頼るしかなかった。
サイレントメビウスはブレードランナーの影響を強く受けた部分が
数多くあり、それも参考にされた。
スタッフが一番苦労したのは舞台であるタイタニックの内部の設定だった。

タイタニックの資料は限られていて、タイタニックの写真&資料集と
白黒の映画が一本あるのみだった。
資料集は非常に克明にタイタニックの内部構造や写真が載っていた。
タイタニックは胴体を真っ二つにして沈んでいるという事実を始めて知った。
現在、最新の映画「タイタニック」が上映されて広く知れ渡るところとなっている。
当時は、こんな鉄の塊がふたつに折れるのかと、新鮮な驚きがあった。
作っている当初、タイタニックという多くの犠牲者を出した船を題材にして
おばけが出たりしないか、という不安があった。
アニメーションや映画の業界では幽霊の話はよくあることなのだった。

TMさんと原画マンの力によってタイタニックの内部は克明に再現された。
私は子供の頃から客船が大好きだったので、タイタニックの船内には興味をそそられた。
蒸気を動力に換えるためのエンジンが、シリンダーとタービンの二種類、積んでいること
を知って、この船が新しい客船の時代を迎えた最初の船であったことを感じた。
映画「タイタニック」に映っていたエンジンはシリンダーの蒸気エンジンで
建物にして三階建てくらいの高さがある。

つぎ

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