某大学のプールにて

私は少し早く着いたようで、ひとり更衣室に入って着替えた。
そのあとプールサイドに来たはずだが、よく覚えていない。
その次の記憶はプールの中をドルフィンキックで泳いでいるところだ。
私が覚え始めなのに自力でよく進んでいるのを見て、大学生がプールサイドで感心していた。

私はかなづちを克服して、夢中になって泳いでいた。
というよりは、かなづちのまま、水の中を進んでいるという感じだろうか。
なかなか顔があがらず呼吸が苦しいが、無理に息をしなくてもいいということだった。
泳いでいると時間は早く進むもので、日が暮れ始めていた。

そこからまた記憶が無く、次の映像は校門を抜けたころだった。
夕暮れで上空は青く、建物は西の光でオレンジ色に染まっていた。
街灯も点り、私はどう帰ろうか迷った気がする。

この実習は確か二日間あったと思う。
これは私にとっては大きな一歩だった。
泳ぎはこれで終わり、またしばらくは泳がなくなる。
本格的に水泳に凝り出すのは半年以上先の話だ。

教養課程は体育、美術史の他に何かがあったと思うが、覚えていない。
体育の教養課程はレポートを提出して単位がもらえるので、
この水泳のことを書いて出したと記憶している。

教養課程も終わり、私たちは専門課程の実習に入る。
油絵科はアトリエの方へ向かう。
初めの実習は石膏像の木炭デッサンだ。

つぎ

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